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第94回 部下の裏切り |
依頼者: |
Aさん(35歳) |
対象者: |
部下のBクン(28歳) |
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依頼者の男性は、貿易商社の係長だった。
ブランド商品の買い付けを担当している。
決算で、仕入れ個数と取引金額にかなりの”誤差”が生じていることが明らかになり、ガク然としていた。
帳簿を確認していく過程で、あることに気付いた。
数字が合わない商品は、部下のBクンが担当しているものばかり。
「部下を信じたい」とは思ったが、このままでは自分の身も危うい。
Aさんから、Bクンの身辺調査の依頼を受けた。
Aさんは6日間、ホワイトボードに書かれたBクンの行動予定をすべてメモ。
われわれはBクンの立ち寄り先、接触者を出来る限りビデオに収め、行動を監視した。
調査終了後、10時間以上あるVTRとBクンの行動予定のメモを照らし合わせた。
Bクンが予定外の行動を取ったのは2回。
外回りの途中であるビルの一室に立ち寄り、近くのホテルロビーで中年男性と落ち合っている。
しばらくして、Aさんから連絡が入った。
Bクンが立ち寄った代理店は、実は大手のブランドリサイクル店業者。
その業者は、偽ブランドも販売しており、数日後、警察に摘発された。
Aさんは調査結果をもとに、Bクンの横流し疑惑を上申したという。
男は女より、信じていた男に裏切られた時の方がつらいものだ。 |
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