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木藪日記
第90回
いいパパのはずが・・・

依頼者: 専業主婦の妻(30歳)
対象者: 商社マンの夫(35歳)
イラスト
「離婚に有利な証拠を集めてください」
来社した30歳の奥様は、淡々とした表情で話し始めた。
最初のきっかけは、ご主人に、突然300万円の借金が発覚したこと。
夫のギャンブル狂いは、長女が生まれて直ったものと思っていた。
娘(2)が生まれてからは、すっかりいいパパだったらしい。
「何これ!」
奥様は、ローン会社から届いた督促状を手に、帰宅した夫に詰め寄った。
「付き合いの飲み代に消えた。バクチは一切やっていないよ」
奥様は、実家に泣きつき、やっと借金を清算した。
その日を境に、夫は自宅に寄りつかなくなる。
週に1回、娘の顔を見て、着替えを持って行くだけ。
先日、帰宅した夫の携帯電話を盗み見た。
そこに「奥さんと同じ部屋で寝てないでしょうね」というハートマークのついたメール。
調査の過程で、さらに200万円の借金があることが分かる。
計500万円。貢ぐにしても額が大きすぎる。
それもそのはず、メールの女は人気の高級ソープ嬢。
一回の入店費用が、総額10万円。
店では24歳、実際は妻と同じ30歳であることも判明した。
夫は散々通い詰め、今では彼女のマンションに転がり込んで情夫気取りだ。
夫の話では、出来心の競馬で万馬券を当て、その帰りにソープで豪遊。
すっかり彼女にはまってしまったとか。
慰謝料300万円で離婚が成立。
その後、ソープ嬢にも捨てられたらしい。
夫は人生の大バクチに負けたようだ。
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