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木藪日記
第43回
愛と憎悪は紙一重

依頼調査: 尾行調査
対象者: 不倫の相手
イラスト
<概要>
依頼者は、大手メーカー勤務のOLでした。
37歳で独身。黒木瞳似の美人で、20代後半にしか見えない。同じ会社で働く1歳年上で妻子持ちの男性と10年近く、不倫関係にあるという。
トップ営業マンだった彼は1年前、経費を使い込んでいたことが会社にばれ、郊外の工場に飛ばされた。給料は大幅にダウン。それ以来、何だかんだと理由をつけては、彼女にお金を無心するようになったらしい。
「100万円以上貸しているんですが、最近、様子が変なんです。会ってくれなくなったし」
3日間の尾行調査で調べがついた。彼は3晩とも、左遷先で知り合った部下のOL(27)とラブホテルで過ごしたのだ。
スタッフが撮影した証拠のビデオを見ながら、依頼者は「絶対に許せない」と体を震わせた。
その後、彼女は男の自宅にそのビデオテープを送りつけ、今まで隠し通してきた自分たちの関係を、彼の妻に暴露したそうだ。
妻にとってみれば青天のへきれき。依頼者と彼と妻と新しい愛人で”4者会談”が開かれたという。詳しい話は聞いていないが、修羅場であったことは間違いない。
嫉妬よりも深い女性の憎悪を垣間見た。
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