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第30回
負け戦 |
依頼調査: |
行動調査 |
対象者: |
赤坂の高級クラブホステス(26) |
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<概要>
大手損保会社に勤めているという依頼者(40)は、座ってウン万円の赤坂の高級クラブのナンバーワンホステス(26)に入れ揚げていた。もちろん、彼は独身である。
そのホステスは10人の男が10人とも振り返るほどの美人。依頼者は、しゃれっ気のない髪型といい眼鏡といい、まじめが取りえというタイプ。負け戦は目に見えている。肉体関係はないものの、週に2、3回は同伴とアフターを繰り返し、依頼者は「私が一番の常連客」と自負していた。
「でも、最近は電話もくれなくなったし、店外デートも断られてばかりで……だれか新しい男ができたに違いありません」
で、依頼者が同伴しない日の彼女の行動調査をすることになった。
依頼者の“ライバル”は4人。47歳の大手メーカー役員、22歳のボンボン学生、38歳のバーの経営者、34歳の開業医である。すべて彼女の常連客だが、だれとも肉体関係はない。
最大のライバルは開業医で、依頼者とほぼ同じペースで金を落としている。どうやら2人の男を両てんびんにかけているようだ。
調査結果を話せば目も覚めるだろうと思ったが、甘かった。依頼者は「定期預金を解約します。負けてられませんから」と意気込んでいた。 |
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