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<概要>
「これが本当の同族会社ですなあ」ーーー調査結果を聞いた時、依頼者の建設会社社長(59)はそう言って高笑いした。
社長には愛人(29)がいる。秘書をさせているというが、彼女の行動が怪しいらしい。「最近、携帯電話がつながらないことが多いんです。副社長か専務か、どちらかとできているはずです」
「なぜ、そう思われるんですか?」と私。
「彼女が朝はいていた赤のパンツと、夜はいていた赤のパンツのレースが微妙に違ったんです。会社の中でなにかあって、はき替えたんでしょうな。彼女は私のほかの副社長と専務の秘書も兼務していますし」
彼女の尾行を開始してから2週間で結果が出た。この間、彼女は仕事の合間に都内のホテルで副社長と密会し、出張と称して専務と2泊3日の温泉旅行に出かけている。つまり、彼女は2人とも関係していたのだ。
調査結果を聞いた社長は「お恥ずかしい話ですが、副社長は私の弟、専務は私の息子でして」と打ち明けた。確かに“同族会社”である。
社長は「事実が分かればいいんです。優秀な秘書ですし、しばらくほっておきますよ。ハッハッハッ」と怒るそぶりもなかった。一代でたたき上げた男だけある。 |
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