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木藪日記
第13回
黒幕判明!!

依頼調査: 行動調査4日間×2チーム
対象者: 従業員
イラスト
<概要>
「こいつだ、こいつ」ーーー2人のターゲットを別々に尾行して撮影したビデオの中に、共通する1人の中年男性を発見した。
2人は、あるソフトウェア会社の営業マン。1人は課長(38)で、もう1人はその部下(25)である。尾行を続けたが、2人とも妖しい素振りはなかった。会社を出て得意先回り。喫茶店で打ち合わせすることもあったが、これは営業マンの日常風景である。
糸口がつかめないまま4日間が過ぎたが、尾行ビデオを精査していると疑問符が2箇所。2人が同じ日の別の時間に別の場所で、同じ中年男性と接触していることが分かったのだ。同じ部署の上司と部下が、離れた場所で同一人物に会うとは、何か臭う。
さらに2週間の調査で、その中年男性がライバル会社の部長(44)であり、企業情報の売買先と判明。
「ウチの情報を売っていたわけですね。彼らはクビにします」
調査結果を聞いて、依頼者の若い社長(35)はきっぱり言い切った。IT関連のベンチャー企業を2社経営しているという、やり手の起業家である。新しいソフトを発売しようとすると、ライバル会社から似たようなソフトが発売される。「どうもおかしい」ということで依頼に訪れたのだった。2人がソフト情報をいくらで売っていたのかは分からない。ただ、クビになった課長は、ライバル会社に再就職したと聞いた・・・・と言う話はなく、いまだ職探しで足を棒にしてる結末である。企業戦士堕落の果て、信用は永遠に取り戻せないだろう。
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